皆さん、こんにちは!
ITベンダーのCX研究室のささぼんです。
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
こちらのブログでは、CX(顧客体験)関連の展示会やセミナーに参加して仕入れた最新情報をお届けしてまいります。
今回は「NexTech week2024(春)」に参加してきましたので、一部ではありますが簡単にレポートしたいと思います!
目次
2. 展示ブース
2.2 オルツ株式会社 「Asclone」
2.2 SBI R3 Japan株式会社 「Corda」
3. セミナー
3.1 生成AIの進化と今後の展望
3.2 製造工程でのブロックチェーン活用と、Society5.0に向けた取り組み
■1. イベント概要
NexTech week2024(春)は、5月22日(水)~24日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催されました。
出展社数は250社以上にのぼり、人、企業、世界の「未来」を変革するソリューションとの出会いの場として、「AI」「ブロックチェーン」「量子コンピュータ」の最新テクノロジーと「デジタル人材」を育成するサービスが出展する4つの展示会で構成されています。
- 企業の成長に欠かせない「人」の成長を支援するサービス
- 「企業」のDX推進や業務効率化につながる最新ソリューション
- Web3や量子コンピュータ、AIなど「世界」を変える最新テクノロジー
が出展され、DXを推進したい企業の方や、最新テクノロジーを求めて、あらゆる業種の方が来場する見応えたっぷりの展示会でした。
今回は特に「AI」「ブロックチェーン」という点に着目して場内を巡り、いろいろと発見があったのでいくつかご紹介いたします。
■2. 展示ブース
・2.1 オルツ株式会社 「Asclone」
最初に訪れた展示ブースは、デジタル上にクローンのように個性を持った「人」を生成するAI「Asclone(アスクロン)」を提供する株式会社オルツさんのブースです。
オルツさんは様々なAIソリューションを提供されており、Ascloneはその一つでした。Ascloneは、パーソナルAI技術を活用し個性を持ったデジタル上の「人」にインタビューや相談ができるサービスだそうです。
想定ターゲットの情報を入力すると、株式会社ビデオリサーチさんで集めた生活者データを学習データとして条件に合ったクローンをデジタル上に生成し、インタビューやアンケートに答えてくれるのだそうです。アンケートの回答者としてだけでなく、様々な属性のクローンを作ることができるため、活用事例として求職者と求人のクローンをマッチングさせることで学習データを蓄積してマッチング精度の高いAIエージェントを作ることや、特定の属性の回答に特化して学習させることで自然な受け答えのできるAIアバターを作ることも可能だそうです。
こちらはデモを見せていただくこともでき、デジタル上で作られた案内役のクローンから製品説明をしていただきました。受け答えもスムーズで、実際に人が話しているようでした。
・2.2 SBI R3 Japan株式会社 「Corda」
SBIホールディングスを外部筆頭株主とするR3社との合弁企業SBI R3 Japanさんをのブースを訪問しました。展示されていたのは分散型台帳Cordaです。
Cordaを用いた国内の商用利用事例を拝見しました。例は以下の通りでした。
分野 | 事例 |
金融 | 証券のデジタル化 ユーティリティトークンのデジタル化 |
自治体 | 商品券のデジタル化 マイナンバーカードの活用 |
製造 | 模造品を排除するための微細印刷技術を使ったシール製造 サプライチェーン内の情報共有 |
Cordaはブロックチェーンを用いた開発プラットフォームであり、ブロックチェーン技術を用いた信頼性を確保したトークン発行や口座管理、決済機能を有しているようです。DX化にるデジタル化が行われている昨今、信頼性の確保が難しい要件を実現するプラットフォームの需要は加速していると感じました。ユースケースが増えるたび価値は高まっていくことでしょう。
■3. セミナー
・3.1 生成AIの進化と今後の展望
まずは、深層学習やロボティクス技術の様々な分野でのビジネス活用に取り組まれている、株式会社Preferred Networks代表取締役の岡野原 大輔さんのセミナーに参加しました。本セミナーの題目は「生成AIの深化と今後の展望」となっており、生成AIの中でも特にLLMの仕組みや今後の可能性について詳しく聞くことができました。
中でも印象的だったのは、「LLMは今後どんどん使いやすくなっていく。どのように使っていくかが重要」というお話でした。LLMのトレンドとして、チップの性能の限界や、DCの電力共有やネットワーク帯域といった計算資源の増加によって、ハード面での性能の向上は頭打ちになることが考えられます。これにより、モデル軽量化や学習データの研究が進むため、LLMにはコストパフォーマンス改善の伸びしろが大きいのだそうです。その結果、誰でも簡単に高性能なLMMが使えるようになるため、様々な使い道を考えていくことも重要である、というお話でした。
LLMに限らず、高性能かつ軽量な生成AIの更なる普及は、私たちの仕事や生活様式価値観に大きな影響をもたらします。そのため、今後私たちが顧客体験を考えていく上では、生成AIによる体験価値そのものの変化だけでなく、顧客そのものも変化していくことを考慮していく必要があるのだと学ぶことができました。また、私たち自身も価値観のアップデートしていく必要があるのだと、改めて考え直すきっかけになりました。
・3.2 製造工程でのブロックチェーン活用と、Society5.0に向けた取り組み
次に、ブロックチェーンアプリケーションの構築を行うSettleMint Japan 森田 大樹さんと川崎重工業 西 剛史さんの対話側セミナーに参加しました。
会社間でコラボして実施したPocに基づく体験談を聞くことができました。また、ブロックチェーンに着目した契機から、実証中に感じた課題点、今後の展望についても聞くことができました。
製造業において最も重要である安心性・安全性を担保するため、データ改ざんを防ぐ仕組みを探し行きついたとのこと。
従来のシステムでは管理者がシステムを操作できる段階で安心性・安全性を確保することは難しいが、データの発生源がデータのオーナーとなるブロックチェーン技術を用いれば課題解決できると考えたそうです。
一方、課題としてブロックチェーンに関する知見がなく実現性検討に苦慮されたそうですが、SettleMintが提供する開発プラットフォームを活用することで1月程度でPocが完了できたとのことでした。また、アップロードされた製品データに対し改ざんが発生した際、データ不正を検出するシステムの検証を行ったそうです。
今後は本番運用を想定したシステム開発や、他企業とのデータ連携も視野にいれて活動をされるそうです。
セミナーを通して、データ品質を色濃く問われる業界における適応性の高さを再認識すると共に、ブロックチェーンやAIを活用した分散型インターネット(Web3)の市場価値を感じました。
世間的にブロックチェーンに関する知見がまだ浅い点や、データオーナーが各々である点への理解が薄い点などいくつか壁はあるものの、今後さまざまな分野で活用されている技術であると感じました。
■最後に
最新技術の成長速度の速さと各分野への市場への影響力の大きさを目の当たりにすると同時にそれら最新技術に追従しながら様々なアイデアで各分野に活用する企業の取り組みを見ることができました。
まさに、「未来」を変革するソリューション!爆発的な成長性と応用度を垣間見ることができ、最新トレンドに目を向けていくことの重要性を感じたささぼんでした。
今回のレポートは以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。
今後も様々なイベントに参加して動向を探っていきたいと思います!
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