皆さん、こんにちは!ITベンダーのCX研究室のショーチャンと申します。当ブログにアクセスいただきありがとうございます!
こちらのブログでは、CX(顧客体験)関連の展示会やセミナーに参加して仕入れた最新情報をお届けしてまいります。
さて今回は、2023年8月2日、東京国際フォーラムで開催されたクアルトリクス社主催の「X4 on Tour Tokyo」に参加してきたのでその内容についてレポートしたいと思います!
■当日のプログラム
*Source:https://www.qualtrics.com/jp/x4-on-tour/
午前中は基調講演、午後はカスタマーエクスペリエンス、従業員エクスペリエンスのテーマ別にいくつかのセッションが開催され、多くの方が来場されていました。
また別フロアではクアルトリクス社の方と直接コミュニケーションしながら同社のツールについて詳しい話を聞ける展示ブースもありました。
このポストでは、展示ブース見学とカスタマーエクスペリエンスセッションの一部内容について取り上げます。
この記事では、以下について説明していきます。
■展示ブース
1.Frontlines(カスタマーエクスペリエンス)
まずは、顧客が抱く不満や問題点を特定し、良質なカスタマーサービスを届けるためのソリューションである、Frontlines(カスタマーエクスペリエンス)のブースを見てきました。ソリューションのポイントの一つとして挙げられていたことは、単一の接点ではなく、「カスタマージャーニー全体を最適化」出来る点です。
カスタマージャーニー分析機能により、顧客がドロップオフしているポイントを特定・修正することで、顧客をジャーニー上の最適な目的地まで誘導することが出来るとのことでした。
*Source:https://www.qualtrics.com/jp/frontline/
また、(後半でも少し触れていますが)サイト上のマウスの動きをトラッキングするなど、数字だけでは見えてこない顧客心理を把握するための機能を備えているため、顧客と企業のあらゆる接点において、体験のプラス・マイナスを把握するだけでなく「なぜ顧客が困っているのか」という要因の特定につながる点が優れていると感じました。
そして、クアルトリクスでは「データの収集・分析」で終わるのではなく、「アクションにつなぐ」ことも出来るため、「データ収集は実施しているけど、具体的な施策につながっていない・・・」と感じているCX担当者にとっては、特に心強いソリューションだと思いました。
サービスの詳細:https://www.qualtrics.com/jp/frontline/
2.Reserach & Strategy(リサーチサービス)
次に立ち寄ったのは、調査の設計から回答者の確保、調査実施、レポート作成を一貫してサポートを行うサービスである、Reserach & Strategy(リサーチサービス)のブースです。
まず、特徴の一つとして挙げていたのは、業界最高のサンプル供給業者と提携しているため、そのネットワークを活用することで、あらゆる調査において適切な回答者を確保することが可能になる点です。
また、経験豊富な調査と分析の専門家が、「様々なニーズに合わせた調査設計」「理想的な調査プロセスの選択」「柔軟なサポート」を支援するため、効果的かつ効率的に調査を実施することができ、インサイト発見につながるとのことでした。
展示会に同行した同僚(前職でリサーチ業務を担当)も「このサービスが当時使えたら楽だったな…」とつぶやいておりました。
さらに、よりタイムリーかつお手頃な価格で、調査を実施したいお客様に対しては、オムニバス調査も実施しているようですので、調査担当者の多様なニーズに応じた調査が可能になりそうですね。
サービスの詳細①:https://www.qualtrics.com/jp/strategy/
サービスの詳細②:https://www.qualtrics.com/jp/research-services/
3.People Teams(従業員エクスペリエンス)
最後は、全社レベルで従業員エクスペリエンスを向上するためのサービスであるPeople Teamsのブース紹介です。
こちらのブースで最初に伺ったことは、「EXとCXは連動している」というお話です。
これは、サービス・プロフィット・チェーンの考え方にもありますが、従業員の満足度を向上することで、サービス品質やCX向上につながり、結果的に収益をもたらすということです。
この考え方をもとに設計されているため、先のカスタマーエクスペリエンスのソリューションと掛け合わせることで、出来ることがより広がるとのことでした。
例えば、あるエリアにおいて顧客満足度が低下していることが判明した時に、これらのソリューションを掛け合わせることで、「顧客満足度が下がっている要因は、上長からの支援の低さに関係がある」というように、顧客満足度につながる従業員エクスペリエンスを明らかに出来るとのことです。
*Source:https://www.qualtrics.com/jp/cross-xm/
従業員への自動パルスサーベイ機能、採用プロセス評価など、入社~退職に至るまで一貫したエクスペリエンス管理を行うユニークな機能を備えており、単体でも有益なソリューションですが、カスタマーエクスペリエンスと連携することで、これまでみえていなかった課題を明らかにすることができるかもしれませんね。
サービスの詳細:https://www.qualtrics.com/jp/people/
■カスタマーエクスペリエンスセッション
1.Product Keynote
午後のカスタマーエクスペリエンスセッションはクアルトリクス/CXソリューションストラテジー シニアディレクターの久崎智子さんによるProduct Keynoteからスタート。
当セッションは、「お客様との強固な感情的なつながりを実現できている企業は、市場シェアを獲得し個性的な存在感を放ち、人々に愛されるブランドになる」という久崎さんの力強いメッセージから始まりました。
シンガポールの空港や金融、KFCの取り組みなどを例に、カスタマーとの様々なタッチポイントをエモーショナルな体験でつなぐことがブランドには重要であり、それを実現するためにはカスタマーの声を集め、理解し、行動する必要があるとおっしゃられていました。
それを実践するためのツールとして、クアルトリクスではエクスペリエンス管理プラットフォームを提供しており、久崎さんからその詳細について説明がありました。
サービスの新機能として紹介された「デジタルエクスペリエンスアナリティクス」は、WEBサイトを閲覧したユーザーのマウスの動きをトラッキングし、ユーザーがサイト内のどの辺でつまづいたか、どこでストレスを感じていたか、といった情報を集めるといったもので、ユーザーのネット行動の裏側にある心理を把握するという点で大変興味深く感じました。この機能を上手に使えば、自社サイトを訪れたカスタマー一人ひとりの体験をこれまでよりもきめ細かく分析し自社サイトの改善に繋げる、といったことが可能になりそうですね。
2.ブランドプロミス『Make Waves』を実現するグローバルな顧客体験の可視化とマネジメント
続いてはヤマハ / ブランド戦略本部コーポレート・マーケティング部長の吉川 剛志さんによる講演でした。
ヤマハさんは楽器以外にも音響機器やBtoB向けの部品装置など様々な製品をグローバルに提供している企業です。
そんなヤマハさんのブランドプロミスは「MAKE WAVES」。
「お客様の心を震わせる」ことを第一に考え、それを実現するために製品やサービスを提供しておられるということでした。
ヤマハさんもクアルトリクスのプラットフォームを活用している企業で、自社会員のNPSの回答結果をダッシュボードで可視化。
エリア別のデータを現場・経営の双方で共有し、会話しながらブランド価値向上のための施策を立案・実行することに役立てておられるということでした。
また、ヤマハさんはサービス向上のために従業員のエンゲージメント管理にも力を入れていて、年に一度、従業員の意識調査を実施しておられます。
従業員の満足度が上がれば上がるほど、それがサービスの質の向上につながり、ひいてはCXが向上して会社の業績向上にもつながる、そのような仮説のもと、従業員のエンゲージメントと顧客のエンゲージメントを分析したところ、なんとなくスコアの相関が見えてきているという話が印象的でした。
3.CXをビジネス成果につなげる経営リーダーのキーワード「カスタマーサクセス」
3人目の登壇は、サクセスラボ代表取締役の弘子ラザヴィさんです。ラザヴィさんはカスタマーサクセスに関する書籍の出版や学校運営などをされており、日本企業にカスタマーサクセスを浸透される取り組みを進められていらっしゃる方です。
まず最初に話されたのはカスタマーサクセスの本質の話です。カスタマーサクセスとは、ただ商品やサービスをお客様に届けるだけではなく、それを通じてお客様にサクセスを届けることであると定義し、またその考え方を「CS=CX(CustomerExperence)+CO(CustomerOutcome)」という方程式で表現していました。
他にも、ヒューマンファーストとは「相手は人間」と考えることであり、お客様を成功へ導くにはパーソナライズした対応が必須であること、パーソナライズした対応とは「カスタマー理解⇔人を動かす」のループを永遠に回し続けること、などCSにとってとても重要な点についてお話をされていました。
最後のメッセージとして「データはカスタマーサクセスを推進する筋肉」であり、データは使って初めて価値が出るということを声を大にしておっしゃられていた点がとても印象的でした。
以上、「X4 on Tour Tokyo」のイベント参加レポート速報についてご一読いただき、ありがとうございました!